2013年9月7日土曜日

【主訴は何?】2012年6月9日

管理人が講師をつとめるMR研修中、架空症例について「患者さんの主訴は何だと思いますか?」と尋ねると、どの回でもMRの正答率は50%くらいです。
大学担当でも、開業医担当でも、そんなに差はありません。
自社製品を日々内服している患者さんが、何を訴えて医療機関を受診しているのか、想像力を鍛えて欲しいもの。

例えば、生活習慣病の代表格、高血圧でも「主訴」には多くのバリエーションがあります。

管理人:「血圧高値で二次精査希望の55歳男性。初診時の血圧は176/100mmHgです。これまで特記すべき手術歴、入院歴なし。家族歴は、父親が高血圧と脳卒中。この患者さんの考えうる主訴は?」

MR「えー、血圧が高くて精査ですから、そんなに自覚症状はないのでは?」

管理人「そうですね、まったくの無自覚という場合も当然あります。でも、高血圧症状と分かっていない場合、単に疲れやすいとか、肩が凝ると、ご本人が勘違いしていることも。初診時、医師は二次性高血圧の可能性も考慮しつつ、緊急疾患を除外しながら問診するのが普通です。まともな医師であれば、いきなり降圧剤の種類を説明するようなことはしない。」

MR「むむ。じゃあ、疲れやすいことが高血圧の主訴だということもあるのですか?」

管理人「はい、正確には自宅での複数回測定と、24時間自由行動下血圧も測ったほうが良いですが、慢性的な高血圧状態では易疲労感や、筋肉のこわばりを訴えることもあります。症状は、多種多彩です。まずは測定を繰り返し、高血圧時の自覚症状をさぐることが必要ですね。私の場合、普通の風邪症状を訴える初診患者が、未治療の高血圧&脳内出血だったことも経験しています。たぶん、風邪の筋肉痛と勘違いしたのでしょうね。」

MR「私たちは診療現場を見ていないので、主訴を直接聞いたことがないのですよね・・・。製品研修は、がっちりありますから、各種データには詳しいのですが。」

管理人「MRが本物の患者さんを観察するには、個人情報保護の壁が立ちはだかります。でも、医師から主訴の典型を聞き出すことは、領域別に限らず、皆さんにも出来ます。自社の製品情報ありきではなく、疾患の主訴を知って、そのバリエーションを覚えていく方が、ディテールを受ける医師たちにとっても信用しやすくなると思いますよ。」

こんな調子で、管理人は「主訴」にこだわった話を続けていきます
疾患の病態生理を学ぶだけでなく、実在の人物が何を訴えているのかを言葉でも知るのは大切。

当MR研修の醍醐味は「主訴を知って、製品知識を治療方針に応用すること」。
プロマネ立案のキーメッセージを伝言するよりも、ずっと面白いでしょう。

この「主訴は何だ?!」を忘れたメッセンジャー型MRに、医師は興味を示さないと思いますね。

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