2013年9月7日土曜日

【マニアックな勝負球を】 2013年2月17日

MRは所属企業や雇用形態によって、獲得してきた知識に大きな差異が生まれる職業です。
ブロックバスターが主力の製薬企業で勤続するのと、ニッチであっても独創性が素晴らしい医薬品を担当するのでは、同じ1年であっても成り立ちは大きく異なる。

どちらが勤務環境として有利だとか、これからも安泰だとは言えませんし、MRは環境によって得られる知見が影響されやすい。
豊富なパイプラインを揃えているからといって、その企業のMRが必ずしも優れているわけでないのも興味深い点です。

中小製薬企業で、次の主力品が定まらないためにニッチな製品で長年勝負するうち、MR各自の”マニアックな知識”が磨かれ、医師や薬剤師から意外な高評価を獲得する場合も。

製薬業界の営業では、さほど重要視されない”マニアックに詳しい知識”ですが、見直してみると非常に重要な要素だと言えます。

著しく詳しい分野を持つMRは、どの医療機関でも相手に”記憶されやすい”からです。

学会会場では、研究内容に興味をもった相手に対して、挨拶がてら「最近のご専門は?」と質問している光景が珍しくありません。
初対面同士の医師であっても、似た興味や専門分野というのは、個別の職業経験を上回る共通言語のようなものです。

どのような職場で勤務してきたかを最初から説明しなくとも、「最近は**病の近位尿細管での**遺伝子の発現を調べていまして」のような言い回しで、それなりの知識水準が相手に伝わります。
いくつかの質問を続けると、「この先生は、あきらかに詳しい」と認識される。

医師としての履歴書を用意しなくとも、最先端の研究を進めていると口頭でも分かれば、予想以上の驚きと正しい印象が相手側に残るわけです。

これをMRの場合として考えると、製品に関する特定分野に”圧倒的に詳しい”となります。

社内資料のスライドを解説するのは当たり前の話で、それら大規模スタディが組まれるまでの研究変遷や、諸外国での使用実績まで正確な数字で把握している。
さらには日本国内での開発状況については20年前から熟知しており、何を質問しても、立て板に水で確実に返答できる。

「うちの病院では、このMRさんに質問するのがベスト」と皆から一目置かれているMRの場合、その分野は狭くとも、社内外のMRよりも圧倒的な知識を持っているのでしょう。

野球に例えると、相手から真っ先にイメージされるような勝負球を持っている、とも言えます。
投球ぶりは誰でも見ることができても、真似したところで同じ軌道にはどうしても投げられない。


野茂英雄氏=フォークボール、というくらい有名かつ印象に残っていれば、真剣勝負でその実物を見てみたいと期待させるわけです。

となれば、このFacebookページをご覧の皆さんにも、勝負球にあたる”マニアックに詳しい知識”があるのではないでしょうか?
「いや、自信の持てる分野はいまのところ・・・」という場合は、これからさらに勉強してみては?

社内の人間で自分より詳しい者はいない!と断言できるような専門分野を持てば、MRとしての特長を説明しやすくなります。

もちろん獲得するためには、文献・研修・現場での複合的な知識吸収を行い、とっさに忘れないような努力を続けることが必要です。
(管理人も自省の意味をこめて・・・)

「継続は力なり」の意味合いは、学生から社会人へと年々変化していくのだと思いますが、MRにとっては独自に磨かれた専門分野ほど強みになる要素はないでしょう。
MR=医薬情報担当者ですから。

各製薬企業では、こうしたMR各自の”勝負球”を尊ぶ姿勢と、悪い意味での没個性を予防する具体策が必要でしょう。

管理人からのアイデアとしては、”重箱の隅をつつく”MR研修を提案します。
無意味な重箱ではなく、”職務遂行で重要な重箱=主力製品の知識”を、それこそ皆で数時間つつき合う、グループディスカッションを行うのです。

せっかく独自に蓄えた知識を全披露するのはもったいないので、研修参加者は披露の是非を的確に判断する力を求められます。
けれども1回行うだけでも、重箱の隅には驚くべき知識が存在することを、参加者たちで共有できるはず。

「このデータにはそんな裏話が隠れていたの?」とか、「さすがに**さんは格段に詳しい」と社内で活発にやりとりするだけでも、皆のモチベーションは高まるでしょう。
その勝負球を真似てみたいと、後輩に本気で思わせるようなMR、かっこいいですよね。

医学の良い点は学ぶべき知識が膨大にあり、さらにはひたすら増え続けることです。
ここまででOKという実用上の限界点はありますが、望めばいくらでも付加知識を得ることができる。

「私の勝負球は・・・」とマニアックに説明できることは、決して悪いことではありません。

ディテール中、自らが想定していなかった質問にも思わずスラスラと、詳しすぎるほど回答できたら、MRとして面白いのではないでしょうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。