2013年9月5日木曜日

【廊下での立ち位置】2013年8月21日

思いがけず長い時間を過ごしてしまう場所、それが院内の廊下です
MRほど、医療機関の廊下に立ち続ける職業はないのですが、「果たして、どの位置が適切なのか?」はMR諸氏が常に悩まれる問題でしょう。

管理人も医師になってから気がついたのですが、廊下で”院内規定の立ち位置”が決まっている場合はほとんどなく、「とりあえずMRは、この辺りまで入構OK」といった、おおざっぱな指定でしかありません。
実際、床にテープで指定場所が囲われている病院はまれでしょうし、各社MRが連日、先着順に並んでいるのが通常でしょう。

ある病院での実例です。

当時、MR訪問は昼休みと夕方の1日2回、それぞれ1時間強と規定されていました。
医師を待ち構える場所は医局棟の廊下、それも患者・家族が立ち入らない奥まった区画のみとなっており、スペースとしては縦長の10畳前後しかありません。
ところが各科の部長室がずらりと並んでいるため、許可時間になると、押しのけ合うようにMRがいきなり”集結”する。
狭いスペースに大きな黒カバンを抱え、ダークスーツの男性MRたちが20人以上の団子状態で待ち構える光景は、若かりし管理人にとっては不可思議そのものでした。

もちろん、MRたちも気まずそうな苦笑いを浮かべつつ、できるだけ通行の邪魔にならないよう配慮してくれているのですが、人間が占める空間体積が急に変わるわけではなく、通り抜ける医師も加わっての圧迫感は相当なものでした。

奥には若手医師の控え室があるのですが、到達するには廊下の両サイドをぎゅうぎゅうに固めた黒服のMRたちを避けていくしかない
なぜ、この狭い空間に医師もMRも押し込まれなければいけないのか?と納得がいきませんでした。
たくさんの知らないMRに笑顔で挨拶されるのが嫌で、訪問時間帯には、その廊下へあまり近づかないようにしていたほどです。

転勤して、大小の各病院で勤務を続けていくと、結局は

(1)訪問規制の影響で、各社MRが基幹病院には殺到しやすい
(2)アポイント取得の有無にかかわらず、コール実績確保のために来院するMRが多い
(3)医療機関側が、MRの立ち位置を十分に確保していない(廊下は、あくまでも院内通路なので)
(4)処方数が多く、他の医師へも影響力を持つ医師はMRからいつも大人気
(5)医師の動きを察知して、MRが同時間帯に集結するので、順番待ちの列が発生
(6)廊下内でMR同士が牽制しあっているので、いまいち和やかでない

といった事情が分かりました。
きっと、この時間も開業医を含めて、全国あちこちでMRが廊下に集結しているのでしょう。

せめて、合理的な立ち位置だけでも明確に規定したほうが良いのですが、トイレ近くであったり、重要書類が保管される医局近くであったりと、どこも廊下は何かと事情が複雑です。
訪問規制がゆるい場合は、混み合わずにパラパラとMRが立っているため、回遊するように少しずつ場所を移動していたりもする。

混雑する飲食店のように、椅子を用意して座ってもらうのも一案ですが、ただでさえ狭い廊下に、就活中の面接待ちのようなMRが座っているのも違和感があります。
空調も設置されていない廊下では寒暖の差が大きく、MRが体調維持に苦労をするのも改善したい。

現状では、アポイント獲得および廊下以外での面談場所を確保するのが解決策ですが、予定外で医師から一方的に待たされる事態も多い。
MR個人としては、廊下の中でもまだ邪魔になりにくそうな立ち位置を、その日ごとに選ぶしかありません。

製薬協が『院内廊下におけるMRの立ち位置』を業界基準として検討するかは不明ですが、MRは各施設との合意を形成しておく必要があるでしょう。

他の病院では、男性MRが女子トイレ近くで待機してしまうため「MRはこの場所で待たないでください」という貼り紙が出ていました。

敬遠しているわけでは無いけれど、廊下で邪魔にはならないでほしい。
MRだって、好きで廊下に立っているわけではない。

たかが廊下の立ち位置とは片付けられない、製薬営業における諸課題が隠れているわけで、何らかの全国的な解決案を募るべき時期なのでしょう。

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