2013年9月29日日曜日

【MR比を考える】 2012年7月16日

(MR比)=(訪問MR数)÷(面談医師数)

MR数対医師数が、1対1、または2対1。
MRが医師と院内で面談するとき、多くは単独訪問、あるいは上司1名の同伴ですから、どの製薬企業でもこの2パターンが多いと思います。

管理人の経験では面談時、前者が7割、後者が3割くらいを占めています。
これ以上の”MR比”(上記の式;MR数を医師数で割った数値とします)では、ディテールを受ける医師にとって、対面時の圧迫感が強くなります。

廊下でMR3人にぐるっと囲まれたら、威厳をもったKOLならばともかく、一般の医師には「やりすぎだ」と不評でしょう。
つまりMR比=3以上になれば、製薬企業の熱い意気込みにも関わらず、過剰なコール偏重に対して反発を生む副作用のほうが大きい。
MR比=4以上になれば、まるで取調室での尋問に似てしまうことでしょう。

こうした訪問実態は、何か有力な営業理論に基づく内容ではないと思います。
各社が受け継いできた成功事例として、あるいは長年の業界慣習として、「MR比=1または2」が攻める側に好まれているのかもしれません。

しかし同じMR比であっても、(MR数対医師数が)2対2とか3対3、あるいは4対2などのディテール場面は、なかなか生じません。
通常のビジネスにおける会議では、複数同士の対談が当たり前なのに、なぜMR訪問ではこのように異なるのでしょうか?
大まじめに考えていくと、現在のMR訪問における課題がひとつ見えてきます。

つまり、MRは”単独で”、”1人の医師(または薬剤師)”へ説明することが、どの規模の製薬営業にとっても当然の前提になっている。
MR数=1、医師数=1なので、MR比=1。
あくまでも、MR比=1を基本形として、各社の営業研修や訪問スケジュールは組まれているのです。
さまざまなMR向けスキルアップ本も、多くは同様だと思います。

そのため、面前にいる1人の医師に対して説得力を発揮するようなディテール訓練を重ねており、面談のクロージングにはつい、力が入ってしまう。
決めぜりふ(キーメッセージ)を1人に対して、印象深く残るように振る舞う、いかにもな言動に陥りやすいわけです。
MR比=2でも、上司が口添えをする程度ですから、活動の本質はあまり変わらない。

このようにMR比=1〜2を基準に日々、MR活動をしていると、MR比=1未満、つまり1人のMRが複数の医師を相手にするとき、めっぽう弱くなります。
つまり面談に限らず、製品説明会や、重要な世話人会での発言などです。
それまではスラスラと1人の医師へ説明できていたのに、複数の医師から質問が飛んでくるとオタオタしてしまうのは、この場合になります。
面談は得意だけど製品説明会が苦手だ、というMRは、いわばMR比=0.1とか0.05(1未満の状況)に弱点を持つわけですね。

また、MR比=0.5、つまり1人のMRが2人の医師と面談するときでさえ、MR比=1とは異なる対処法を求められます。
研究や専門分野が異なる医師2人と対面していれば、それだけで同時に飛んでくる質問が大幅に増える。
まさに宣伝用の付け焼き刃ではなく、医薬品情報のプロとしての実力を試されるわけです。

さて連休明けの明日以降、皆さんも「MR比」別に、得意・不得意を再確認してみてはいかがでしょうか?
慌ただしくて大変な毎日でも、担当施設で起きている「自らのMR比の変動」をつかむことで、意外な解決策が見えてくるかもしれません。
面談、説明会、卸訪問など、時間ごとに確認していく場面は多くあるのですから、改善策も見つかりやすいと思います。

(なお、MR比という言い方は管理人が独断で設定したものなので、適切な用語アレンジは各人にお任せいたします)

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