2013年9月5日木曜日

【残念なMR】 2013年8月18日

不運なのか、必要な試練かの区別は難しいのですが、医師業を続けていると『残念なMR』が担当者になることがあります。

高度な見識や最新の医薬品知識を全員が身につけるのは難しく、訪問先の医師レベルも千差万別ですから、MRから見たときに、お互い様な部分かもしれません。

MRは医師の鏡であって、「顧客の(頭脳の)不出来に合わせて、社内成績が下位のMRを担当者にしています」と明言されているのであれば、納得しなければいけませんが。

その場合、『残念なMR』から『素晴らしいMR』へ交代してもらうために、医師は懸命に診療を努力・・・すればいい、という単純な話ではありません。
各社の状況を把握する限り、医療施設の水準と主力品の販売成績、医師としてKOLまたはKOL候補者である等、製薬企業側のセールス事情にもとづいてMRは配置されるため、個別の医師が内心でどう思っていても、反映されるようには決められていないからです。

MRと医師の相互指名権(マッチングシステム)を創設すべきだと管理人は考えているのですが、現状はあくまでも運任せになります

大学病院から市中病院まで各施設で勤務する中で、MRの不出来を理由に交代を依頼した経験はないのですが、もしも明確な手続きが規定されていたならば、何人かは交代してもらっていたと思います
その逆で、MRから訪問先の医師として除外されても管理人は構いませんし、お互いが時間を有意義に使える関係性を維持する手続きであれば、納得することでしょう。

残念なMRの場合、医局に戻ったら社名入りの封筒が置いてあり、製品パンフレットと講演会案内、さらには製薬企業がスポンサーとして作成した医学季刊誌が入っていたりします。

MRの名刺がクリップで付いているだけで、メモも付箋もない。
どういう用件をもって、これら資材のどこを説明するために訪問してきたのか手がかりすら残していかないので、医師がひとりで悩むことになります。

「またの機会に」とメモが入っていても、MRが帰っていった後の医師だけでは、具体的な次回訪問のアポイント確認はできないわけです。
親切心に溢れて、いつでもMR想いの医師であれば良いのですが、残念なMRにまで手厚く配慮するのは気がひける。
結局、同社のインターネット情報を閲覧して、自ら情報を調べる結果になったりするのです。
この訪問に要したMRコストは、何かの正当な意味を持つのか、不思議な気持ちにも・・・。

また面会中は、用件をまともに説明せず、こちらの話を聞くばかりだったりします。

管理人はMR研修を実践するトレーナーでもあるので、あきらかに説明するネタがない状況はすぐに分かる。
各社で研修に関わってきたため、大部分のMRは真面目に勉強していると知っている以上、ベテランMRなのに上司抜きでは会話が成立しない低レベルであると、もはや失望するしかありません。

とはいえ、残念なMRというのは医師それぞれにとって異なる見方ですし、他の施設では全く逆の好印象を持たれているかもしれません。
MR活動の客観的評価が、医療従事者にとって当然の仕事になるような新しい状況が必要なのではないか、と管理人は考えています。
やはり評価の母数を増やさないと、皆にとっても残念なMRなのか、証拠が揃わないからです。

製薬協のプロモーションコードを読み直すと、

”3.MRの行動基準
MRは医療の一端を担う者としての社会的使命と、企業を代表して医薬情報活動を遂行する立場を
十分自覚し、次の事項を誠実に実行する。

(1) 自社製品の添付文書に関する知識はもとより、その根拠となる医学的、薬学的知識の習得に努め、
かつ、それを正しく提供できる能力を養う。
(2) 企業が定める内容と方法に従ってプロモーションを行う。”
とあります。

知識の正しさを前面に押し出している印象があります。

結局はMR個人の自覚と、社内評価や研修体制に依存するわけですが、医師から「キミは、残念なMRだね」と宣言する場面はあまり想像できない。
残念な言動をとるMRですから、その後について、医師としても色々と心配になります。

とはいえ、明日もやってくるかもしれない残念なMRに対して、やむなく支援すべきなのか、明確に交代を通告すべきなのか、悩んでいる医師は少なくないのでは?と管理人は考えています。

成績下位のMRをどう扱っていいのか、営業所で悩んでいる場合、まずは『残念なMR』として顧客から認識されているのかを所長やマネージャーが確認すべきでしょう。
放置したまま、何もしないままでは、信頼の損失が増え続けるばかりですから。

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