2013年11月23日土曜日

【尊敬できるMR】2013年11月20日

自社製品に関する豊富な知識に加えて、多くの医療従事者から支持される良識を持ち、普段の言動も爽やかであって嫌みがない。
さらには、営業本部所属の社員にふさわしく、数字で評価される社内成績もつねに優秀。

非効率で高コスト体質だと批判もされる製薬業界ですが、医療現場にいつも来てほしいと望まれている、素晴らしいMRも各社に存在するわけです。
そのような社内成績で上位20%を占めるエース級MRが、他の中間60%と下位20%を積極的にリードする役割を期待されている
以前から、上級MR資格の是非について議論されているように、何らかのプレミア資格をMR認定センターが設ける可能性は高いと考えています。

ただし、このままでは営業成績が上位=優秀なMRという判定になりやすい。

では、もしも社内成績が営業結果を中心にするだけではなく、「顧客から尊敬されているか?」という尺度でも評価されたとすれば、どうでしょうか?
上級MRの名称にふさわしく、医療従事者から「尊敬を集めているか?」という切り口でも捉えてみることは、販売成績のノルマで思い悩むMRを助ける結果になるかもしれません。

多くの医師にとって担当MRは、あくまでも偶然の出会いに過ぎません。
よほどの専門性を持ち、特殊な疾患領域でもない限り、医師が担当MRを指名できる状況は起きえないのです。
管理人も大学病院・国立病院・赤十字病院・民間病院で勤務医をしてきましたが、赴任するとすぐに担当MRが挨拶と名刺交換で登場し、その役割について賛否を問われることはありませんでした。
また、担当MRの候補者一覧を提示されて、どのMRを希望しますか?と上司から尋ねられた経験もありません。

情報提供&販売促進を主目的にしている以上、MRの配置は製薬企業側の事情であって、医師など医療従事者の意見を優先してもらえるわけではないのです。
管理人は、医師の臨床研修マッチングシステムを応用する案をすでに提示していますが、現場からの”えり好み”を聞いていたら営業体制が成立しない、というのが製薬企業側の常識です。

よって、医師と話がかみ合わず、MRとしてのスキルや成長度合いが不十分で、黙って廊下を埋め尽くす状況がなかなか解消しません

しかし、「尊敬できるか?」という評価基準があれば、別の意味を持ちます。
製品販売や人脈作りといった要素による社内成績がどの位置にあろうとも、「このMRさんは尊敬できる」と医師などが企業側へ表明できる仕組みがあれば、医療現場からMR活動への正しいフィードバックをもたらすことが可能になります。

口下手で自信がなさそうなMRでも、製品に関わるエビデンスを正確に把握していれば、尊敬される理由になるでしょう。
あるいは、患者中心という現在のMRに求められる職業姿勢を表明しており、きちんと専門用語でも対話できるMRは、やはり尊敬を集めるでしょう。
そこには製薬企業に利益を上げさせてあげようという発想は入らず、あくまでも「面前の誠実な人間に対して、正当な敬意を払う」という自発的なフィードバックになるのです。

上級MRは尊敬されるレベル&下位MRは尊敬されないレベルというのも、医療界での重大な役割を考えると、おかしな展開になります。

営業成績と、MRが尊敬を集めるかは、基本的には無関係です。
この両者を上手にミックスし、社内からも医療現場からも大いに支持される人材=MRを育成することが、今後の製薬企業にとって必要かつ、逃げられないトレンドとなるでしょう。

管理人もコメントしている週刊ダイヤモンド11月23日号によると、全MRの維持コストは、テレビのCM広告規模と同等だそうです。
年間1兆5,000億円の維持費をかけているのであれば、MRには内向きな社内競争だけでなく、「尊敬できる医療人」という大切な要素も持って欲しい。
国民から期待される役割は、医薬品の適正普及・安全使用のサポートです。
尊敬に値しないMRは、処方決定に関わる医療者の無関心という、見逃せないリスクを伴うことになります。

「あいつは営業成績がダメ」と上司に言われていても、医療現場から「彼・彼女は尊敬できるMRだ!」と高評価されている事例を、ずっと無視したままではいけない。
各製薬企業は人材の育成において、職業発展の基本である「尊敬されているか?」の評価も大幅に組み入れ、ただ営業に邁進しているMRたちを方向修正してほしいものです。

尊敬できないような言動のMRが担当している医薬品を信用して、治療責任をもっている大切な患者さんへそれを処方したくなるでしょうか?

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