2014年1月18日土曜日

【断りにくくて】2014年1月17日

「いつも来ているMRが熱心に頼んできたら、なかなか断りにくい」
診療現場に立つ医師であれば、各社のMRに対して、このような感情を抱くことは珍しくありません。

地域講演会の出席・講師依頼、新規採用のお願い、処方増を促す頻繁の情報提供(または宣伝行為)、学会ランチョンセミナーや大規模講演会の案内など。

医師はMRから、いつも何かとお願いされている立場です。


本日のNHK報道を見ていて管理人が感じたのは、その真相は別として「オンコロジーMRが血液内科医にアンケート回収を持ちかけている」リアルな院内の光景です。

同業者としては、どの医療機関でも、そういう場面が起こるのだろうなあという率直な感覚が生まれます。
狭い人間関係の中で、限られた者同士でしか分からない、忘れてしまうかもしれない何らかのやりとり。
どちらかが非常に悪いという話ではなく、MRと医師は、その2人しか知らないやりとりが起こりうる閉鎖的な立場でもあります。


もし、日頃から好ましい態度で科学的に情報提供を行うMRがいて、医師もおおいに信頼しているとします。

有能なMRが説明する内容には、宣伝に偏らない妥当な指摘が多々あり、診療や研究面で参考になっている。
そのようなMRが「先生、いつもお忙しいですよね。ご面倒でしょうから、こちらのアンケートは私が会社に持ち帰って、事務局へ提出しておきますよ」と持ちかけた場合。

日頃からまともなMR活動を行っていれば、「それは許されない行為でしょう」と厳しく断るよりも、「君が言うならまかせるよ」と安易に承諾してしまう医師がいるはずです。


実際、この報道ではアンケート提出が半数以上、MR経由だったとされており、「信頼しているMRへ預けた」医師がそれなりに存在しているようです。
関与しているMRと医師の双方に事情を確認しなければ、詳しい経緯は分かりませんが、廊下や医局といった場所で”絶対に改ざんされてはいけない”アンケート用紙が、MRに手渡されていたのかもしれません。


MRが熱心であり、有能であればこそ、医師は依頼用件を断りにくくなります。

専門分野の医薬品を担うMRがおり、自らが専門家であれば、いつも顔を合わせる関係性においては衝突や議論を避けるような仲になりやすい。
管理人も、大学病院時代を含めてMRと激論を交わしたという経験はなく、周囲と和を保つような柔らかい応対になりやすいものでした。
閉じたMRとの仲は、他の医師たちからも目撃されうるものですし、独善的な振る舞いはエキセントリックな医師でもなければとりにくい。


依頼してきた事柄を一度持ち帰って、関係者で検討し、後日MRに回答するという展開は院内ではあまり起こりません。
どちらかと言えば即断即決、多忙な時間の合間を縫って対処する、という慌ただしい状況に医師は陥りやすい。

院内を奔走しているあの先生たちを助けてあげたいというMRの素直な気持ちが、結果的に良くない結果へ繋がることもある。

医師は断りにくい&MRはサポートしたいという状況は、第三者から見た場合には密着&不適切と言われる関係にもなってしまうのです。


MRの言動は医師に影響を与えて、患者が受ける医療行為そのものに伝わりうる。

間接的にでも医療に影響を与え、医師に直接意見できる院外職業は、MRが代表格です。
今後も、その判断過程と結果責任が問われることが多くなっていくのでしょう。


つい後回しになりがちな顧客との接点については、業務の合間に、MR個人があらためて捉え直す必要がありそうです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140117/t10014556441000.html

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