2014年1月23日木曜日

【営業ノルマの廃止】2014年1月21日

2013年12月に発表された、英国グラクソ・スミスクラインplcの発表に驚かされた製薬業界関係者は多いと思います。
今後は全世界でMRの営業ノルマを廃止していく大胆な内容に、実情と照らし合わせて、戸惑いと期待の両方を抱くのです。

MRには「個人別の売り上げ目標がありません」という宣言には、他業種(資生堂の営業部員など)での実例を知っていても、日本のMR活動を思うと本当に大丈夫?という不安のほうが大きいかもしれません。


日本語版のプレスリリースの冒頭に、「患者さんの利益を確実に優先するために」と書かれているのも、気になる点です。

これまでも、”最終消費者=購買者=患者さん”の利益を優先するとはしていたが、確実にとまで言い切るには、それなりの本社決断をしたという意味かもしれません。
営業・マーケティング方法を変えるというのは、世界的大企業にとっては予想しがたいリスクをはらむ決定だと思いますが、患者さんにとって最善の治療法が提案される=自社最優先ではないけれど選択肢に入れて欲しい、という意味なのでしょう。

控えめになりつつも、きちんと一定の販売結果は確保したい。
有名医師を招聘して講演会・座談会を企画し、謝礼金を支払って宣伝に用いるKOL攻略についても、将来的な誇大広告や贈収賄のリスクが否定できません。


さて、現在のMRは月別・期別などの厳しい売り上げ目標を抱えて、多くの医療機関を訪問します。

調剤薬局や卸・特約店もカバーし、地域講演会や学会関連などの仕事も抱えた中で、達成度を確認する意味で売り上げ目標は分かりやすい。
会社への貢献度を周囲から認めてもらえますし、自らは医療への貢献も兼ねた仕事という満足感を得られるのです。

圧倒的に長い待機時間、顧客から拒絶もされうる立場、社内で課される膨大な学習事項など、営業職としてのMRは長く続けるのが難しい面もあります。
確実な結果である数字によって自己肯定し、現状を乗り越えていこうと考えるのは、誰にとっても不思議なこととは言えません。

しかし、変化は起きている。


今後はこれまで当然とされてきた医師集客型の宣伝活動や個別面談の手段が、国内外の要因によっても崩され、MR活動が想定外に変化してしまうことを考慮すべきです。

日本でもジェネリック医薬品への切り替えが進めば先発品企業はMR数が過剰になりやすく、かといって受け皿になるCSOが急速に成長するわけでもない。
結果的には、”国家方針としてのMR数削減”が実行に移され、合格率の低い国家資格化や実働していないMR資格の強制停止などが起こるかもしれません。

MR1名の年間維持コストが1500万円〜2000万円と言われますので、6万人強からの削減策は、かなり有効な医療費抑制になりえます。
このまま売り上げ目標ばかりに熱中していると、MR機能を代替するサービスが急成長して、遠からず失職するリスクもありえます。


静かな変化には気をつけにくい、勝ち気な製薬業界ではありますが、それぞれのMRは数字だけに頼らない自己肯定を見出し、存在意義をきちんと各方面へ見せていく時期です。

http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2013_07/P1000822.html

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