2014年1月7日火曜日

【聞きたがり】2014年1月6日

あけましておめでとうございます。

本日から仕事始めという製薬・医療機器企業は多いと思いますが、全国の救急医療を担う施設は、年末年始も当番体制で多忙な診療を続けていました。
いかにも長期休暇でリフレッシュしてきた!という表情で院内を歩くと、医療従事者からは違和感や嫉妬を抱かれやすいので、くれぐれもご注意ください。
(連休明けにMRが真っ黒に日焼けしていると、当直や休日出勤していた医師は複雑な気持ちになりやすい・・・)

かくいう管理人も仕事納めが大晦日、仕事始めが1月2日という、2014年も勤務医らしいスタートを切っております。

大学などでは病院当直で年越ししたこともあり、除夜の鐘を入院患者さんと一緒に聞きながら新年の挨拶をするのは、辛い病気の存在をつかの間でも忘れさせてくれる不思議な経験でした。

さて、年末年始のMR不在期間を経て今回も気にかかるのは、平日はどれほど多くのMRが医療機関内に滞在しているか、という悩ましい状況です。

製薬協やMR認定センターが全国統計をとっているわけではないようですが、”休日:ほぼゼロ&平日:廊下が満員”というMR密度の変化が、その理由を含めて医療従事者側からはとても理解しにくい。
もちろん、夜間や休日にMRが訪問してきたとしても応対に割ける時間は限られるのですが、年末年始でまったく登場しない”MRノックアウト”状態になると、「彼らは祝祭日に休める仕事でも、医薬品はずっと使うのだけれど」と素朴な疑問が生じてきます。

弊社には専用コールセンターがございます、と説明されても、病気は暦に関係なく発生するわけであり、商業活動に準じて調整されるものではないので、"MRが休みなのは現場知らず”という悪いイメージを医療従事者から抱かれやすいのです。
MRも休みなく働いてほしいのではなく、製薬・医療機器ビジネスと医療機関には温度差がある、という事実を忘れない方が良いのです。

もう一つ悩ましいのは、各社がスマートフォンやiPadをMRに支給した結果として、医療従事者からの情報収集行為が強化された点です。
端的に言えば、「説明するよりも、質問をしてくる」MRが増えている。

顧客プロフィールを大量に収集し、SFAに素早く入力して、売り上げ増加をもたらす想定症例について適切な処方提案ができるように・・・というアプリを含めたシステム導入にかけた元々の志は高い。
けれども、製薬営業の仕組みすらほとんど認知されていない現状では、医師視点に置き換えると「MRが質問ばかりしてくるようになった」という厄介な印象を与えやすい。

ただでさえ、廊下の壁に寄りかかりながらスマホを片手でいじり、うつむいてiPadを熱心に操作している姿は、正当な職務中であってもMRを不真面目に見せてしまいます。
さらに、出会うたびに「先生がお考えになる処方基準を」とか「何名くらいの患者様にお使いですか?」といった細かい事情聴取が起こるのでは、時間がもったいない医師としてはMRを敬遠したくもなります。

相互が”対等の情報交換”をして成立するのがディテーリングですから、MRばかりが質問を連発するような営業方針を設定する責任者たちは、その悪影響の大きさを注視するべきでしょう。

社内からの指示で、医師や薬剤師に質問を繰り返さざるをえないMRは現場で板挟みになるわけで、担当製品に対する愛着や自信を伝える機会が減ってしまう残念な結果に。
MRが質問ばかりしてくる→医師から敬遠されてディテーリング機会が減る→良い情報が伝わらない→一方で、他社製品の処方が増える→担当製品が伸びない、という負のサイクルになるのは誰でも嫌でしょう。

聞きたがりが必ずダメである、とは言い切れません。
自社品の院内動向についてMRが無関心では、医師が質問するきっかけが減ってしまいますし、御用聞き的な言動はそれなりに必要です。

呼び水として上手に質問できるMRは、たいていの医療従事者から敬遠を受けず(嫌われないMR)、休暇中にはリフレッシュだけでなく必要な勉強もしており、販売成績も出している。
上司から命令されて質問攻めをしているMRと、相互に有益な情報を交換しあうMRでは、当然の応対差が生まれるわけです。

顧客サイドに立つMR活動は、簡単ではありません。
情報交換の前提となる差異を知り、相手の様子をうかがい、”自分の頭で考え”、適切なタイミングを見出す努力が欠かせません。

2014年は、一方的な質問攻勢を自重し、あえて質問を投げかけなくても相手が説明してくれる場面を目指してみましょう。
医療従事者がたくさん話しやすい場面作りは、企業規模に関わらず、まだまだ熟慮すべき課題だと思います。

いつもiPadの入力に忙殺されるMRでは、院内の主役である顧客から見てもあまり魅力的な姿ではないでしょう。

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