2014年3月6日木曜日

【製品説明が間違っていた】2014年3月4日

「こちらのデータ、実は誤っておりまして・・・」と釈明するMRの立場は、非常に苦しいものです。

これまで、自信満々に「当社は競合品よりも優れた国内エビデンスを持っています」と繰り返していたのに、それが虚偽だったならば、冷や汗をかくどころでは済まないでしょう。

事情はともあれ、本当は存在しないプラス効果をMRなどが示していた、あるいは誇張しながら各媒体で宣伝を繰り返していた。

昨年来、そうした話が医療・製薬業界だけでなく、一般のマスコミでも大々的に取り上げられるようになりました。
通算売上が1兆円を超える医薬品となれば、無駄で意味のない処方を増加させたのではないか?と、各方面から非難がわき上がる。
もちろん、これらを管理人も診療で処方してきましたので、悪い影響はないものの、期待していた効き目がないとなれば、失望しつつも反省せざるを得ません。

MRが医療従事者(とくに医師)へ説明する内容は、口頭が普通で文面などに残りにくく、にこやかに良好な治療イメージを想起させて、次の処方を促すタイプが多い。

そのために原著論文だけでなく、会社側がアピールしたい要点をまとめた製品パンフレットや、有名教授による講演録、さらには座談会記事などをふんだんに配付しています。
処方数が多い医師は、勤務医であれ開業医であれ、MRからは格好のターゲットとなりますから、受け取る資材の量も半端ではありません。

もし、その中にいくつかの「間違い」が含まれていても、詳細に原著と見比べなければ気がつきにくいことでしょう。
担当MRが元気よくアピールしているエビデンスを、院内の付き合いでは、真っ向から否定しにくいのが実情なのです。

「日本発の国際的エビデンス」「ついに日本人でも証明!」といった勇ましいキャッチフレーズがついた臨床研究について、それらのスポンサーである製薬企業を含めて、あらためて周囲から見直す時期のようです。

もちろん、現在報道されているブロックバスター以外に、”怪しい国内エビデンス”は存在しないと信じたいのですが、大手製薬企業の事例が出ている以上、「これはもしや・・・?」と冷静に考える必要があります。

多方面からの科学的な批判に耐え、論理的な検証を乗り切ったエビデンスは素晴らしい成果だと言えますし、新たな治療法にも繋がる
双方向の議論こそが医薬品の育薬に欠かせない中で、特許期間内に売り上げを最大化したいという企業中心の発想が、不正の温床になりうると肝に銘じるべきです。

医師はMRの説明をむやみに疑わなくとも、宣伝色を受け流し、冷静にデータを見つめて真相を探す。
MRは医師をだますつもりなど毛頭なく、社内教育通りにディテーリングしているとはいえ、後日撤回になりうるリスクだけは忘れないようにしておく。
面談中、それぞれが冷静に考える必要があります。

とはいえ、担当製品の売り上げで、プロモーション活動への貢献を評価されるのがMRという仕事です。
製品情報を抱えて顧客に相対する側としては、会社内で間違ったデータが広まっていないか、自発的に探す姿勢も重要となるでしょう

この際、自社が情報提供に引用している”医師主導型臨床研究”に、何らかの落ち度や誤りが含まれていないか、学術・MSLを含めて、皆でいっせいに検討してはいかがでしょうか?

頭脳明晰で優秀な人材を多数、取り揃えているのですから、時間こそかかっても自主的に誤りを探し出す方が、あとでマスメディアに暴露されるよりもずっと良いでしょう。
当然、関わりのある医師たちも、これまで自らが症例登録した内容に間違いがなかったかを今一度、確認すべきです。

ちなみに臨床研究の症例登録は通常、ボランティア行為ではなく、1症例(患者)あたりいくら、という謝礼が医師へ支払われています。
数万円から、ときには十万円単位にのぼるという話もあります。

あきらかに法外な金額がなかったか、過剰なまでに登録数を行っている医師はいないのか、という点についても今後は開示していくことが求められます。

昨今の事例が、医療・製薬業界における氷山の一角であるのかは、さらなる追求によって判明していくことでしょう。
国民の健康に寄与する医療産業には、こうした負の側面も隠れていることを忘れてはいけないのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。