2014年6月8日日曜日

【正社員MRの減少】2014年6月2日

Monthlyミクス2014年6月号には、大手製薬企業で正社員MR数が減少しているという特集記事が掲載されています。

色々な情勢変化を考えれば、「ついに」というよりは、「当面はそういう時期もあるだろうな」というのが、管理人の率直な感想です
MR数が多くとも人件費を確実に回収できるような、好調な右肩上がり期を過ぎれば、経営者が余剰コストの削減に着手するのはどの業界でも同じ。
世界的に大型新薬数が減っている以上、日本でも同じ波がやってきます。

もちろん、固定費には他の要素も含まれますが、日経新聞には「**億円のコスト削減を図り」という各社長インタビューが堂々と載っていたりもします。
言及されたコストには社員=MRも含まれるわけで、おおっぴらに宣言しないまでも、自然減を含めて何かしらの人員調整が行われていく。
外見的に静かだけれど競争が激しい製薬業界においては、MR数の適正はどのあたりか?という難しい問題が、各社単位の経営にも、業界全体にもあるわけです。

売れる→MR数が必要→新規&中途採用の増加→コントラクトMRも追加→販管費増加、という人手に頼る方式を繰り返す限り、MR数は増減の波を見せることでしょう。

問題は、その変化分がどれほど急激なのか?という点にあります。
MRは業界認定資格を求められる専門職ですから、「今年は必要、でも来年は・・・」というように社内での都合が変わりすぎると、不安になった有資格MRは他社への転職(脱出)も考慮するようになるでしょう。
6万人を超えている以上、仮に5%前後の変化でも少なからず影響がでると思いますが、もしもそれを上回る場合は、なかなか厳しい状況になるでしょう。

増える場合として、SOV主義&コール数確保型であり続けるときは、コントラクトMRも動員しながら、攻めの人員確保に走ります
SGLT-2阻害薬は予想通りのコール数競争に陥っていますが、不慣れだから「糖尿病領域の経験者が欲しい」という、つじつま合わせ的な営業体制作りが社内では許されてしまう。

降圧薬や脂質異常症薬よりも効能効果のバリエーションが大きいわりに、「糖尿病薬の経験MRが重宝される」という風潮は、数さえいれば何とかなるという人海戦術が根強い証拠でもあります。
護送船団方式を好む業界トレンドもありますから、人手に頼りつつ投下コスト以上の売り上げを回収できる時期は、かつての必勝パターンをなぞっていれば良い。
野心的な戦略を立てて、他社よりも先に失敗したくはないのです。




ただし、MR数が急激に減る場合に、日本の製薬業界はあくまでも不慣れです。
外資系でも、欧米諸国のように、新薬の特許切れ→GEへの一斉切り替え→MRの大リストラ、という常套手段がこの市場では使いにくい。
日本は正社員MRが多く、外国はコントラクトを含む契約社員型が多いという差はありますが、人海戦術に頼らない営業戦略が広がりにくい日本は、世界でも特殊な環境です。

顧客サイドがMR活動を一定レベルで信用していることも関わり、担当MRを突然、院内で見かけなくなると不安をあおるという面もあるでしょう。
「このエリアはMR投入なし&このエリアはMR投入あり」というように、明確な比較テストも実践していないため、漫然と人員を送り込んでいるのかもしれません。

営業効果を向上すべく意図的に配置数を減らすのと、経営上やむなく配置数を削る場合では、MRのモチベーションにも大きな差が生まれます。
皆さんも営業所の先輩・同期・後輩が数名ずつ、急にいなくなってしまったら、そしてその業務量を急遽割り当てられたら、ヤル気が出るとは言い切れないでしょう。

主力製品の販売金額が極端に大きいブロックバスターを抱えている時期は、どんぶり勘定的な人員配置が可能です。
多少の増減があろうとも、会社にとっての屋台骨となる主力品は、多額の営業コストを支える安定感を保っており、特許期間内に日本だけで通算1兆円を超える場合すらある。
しかし、こうした大当たりではなく、中当たり程度が主力品になる時代が到来し、製品群もアンメット・メディカル・ニーズに移行していくと、事情は大きく変わります。

ほどほどのMR数で予想通りの販売結果を確保するのが必達となり、大当たりしない一方で、ライバル品を阻止して自社口座を守る義務が増していく。
医療機関や薬局内での、まさに"薬品棚のスペースひとつ"を争う細かい勝負となり、国策で進むGE普及も大きな足かせになります
さすがに、おおざっぱな発想でMR数を維持するわけにはいかず、「誰を残して、誰を・・・」という極めて現実的な話になるわけです。

コントラクトMR企業の中には、先発品企業から正社員MRの出向を請け負う事例もあると聞きます。
ブランド品を担当するMRが、コントラクト企業に出るということは「片道切符で戻れない」ということかもしれません。
経験豊富で自らのマーケット価値を探るべきベテランの時期に、MRとして正社員ではいられなくなる人が増えることが珍しくなくなる。

給与や福利厚生が良いとされてきたMRですが、正社員という立ち位置を死守するためには、これまで通りの考え方、そしていつもの言動を見せているだけでは厳しくなるでしょう。

上意下達の企業風土に慣れてしまった真面目なMRほど、現在のトレンドには素直に対応できないかもしれません。
しかし、決して正社員MRの減少を他人事と思わず、情報を集めてじっくりと立ち位置を確認したほうが良いと思います。

管理人の経験上も、これからは想定外のMR数変化が続くと予想していますので。

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