2014年7月8日火曜日

【ケアネットの一般開放】2014年7月8日

多くの医師は、情報収集のために、何らかの医療専門職向けサイトに登録しています。
国内の有名どころを列記してみると、

最大手のエムスリー:MR君などの製薬企業向けコンテンツがとくに有名ですが、その他にも多くの業態を揃えながら成長中

老舗のケアネット:職業スキルの向上につながる教育コンテンツに強く、医師・薬剤師向けのDVD販売や動画配信も

雑誌もある日経メディカルオンライン:医学情報の速報、とくに学会・論文系が充実しており、若手医師・薬剤師向け等にもリンク

医師が起業したメドピア:最近、東証マザーズ上場を果たした医師専用SNSで、薬剤評価や症例検討で独自コンテンツを展開中

こうしたサイトを時々利用していると、年々拡大する医学コンテンツの充実ぶりに驚く一方で、興味があっても閲覧しきれないことに戸惑いを感じます。

FacebookページやTwitterアカウントでもフォローしているので、新着コンテンツは分かるのですが、それぞれを読み込む余裕は少ない。
医師向けには多数のメールマガジンや製薬企業サイト(オウンド・メディア)があり、よく分からないまま医学情報のシャワーに浸っていることになります。

管理人がふと思うのは、こうした医学知識の集合体を、もっと一般市民向けに開放したほうが良いのでは?という点です。
いわば、パブリック・ビューイングのごとく、興味と意欲がある人々に対しても最新の医学情報を、という意味です。

テレビでも医師出演のバラエティ番組が人気を集めていますし、NHKでは症例検討会のような難しい番組すら放送されているのですから、潜在的な関心は高いはず。

しかし、新聞広告を見れば分かるように、医療関係者の監修をうたいながらも科学根拠に乏しく、あやしげな健康ビジネスとしか呼べない見出しが、日々躍っているのも事実です。

サプリメントや健康器具、健康法まで玉石混淆の医学情報の中に、どれほど妥当な内容があるのかを、医療の素人である一般市民が見分けるのは容易ではありません。
外来や病棟で医師が質問される内容も、こうした不確かな医学情報にまつわることがあり、訂正したり病識を改めてもらうのに苦労するわけです。

もっと正しく、確からしい医学情報を、医療専門職以外にも、興味を高めながら知ってもらう必要があるのです。

かといって、Yahoo!知恵袋のような匿名サイトにあふれる医学情報を、現在より改善するのは難しい。
監修する立場も責任も明確ではないですし、面白い噂話に過ぎないテーマでも、ネット内ではどんどん拡散してしまうのです。

となれば、常に良質であって、医療専門職向けに作成された各種コンテンツは、その難易度さえ上手に調整すれば、一般市民向けとしても十分に提供できるはずなのです。

現在のビジネスモデルは、おもに製薬企業の宣伝広告費やマーケティング費用に頼っているため、それ以上の規模拡大が難しくなっています。
しかも、各サイトが良質な教育VTRをせっかく作成しても、その視聴者が医師などに限られていれば、どうしても反響が少なくなる
もったいない実情です。
潜在的な興味を抱いている視聴者を発見し、支持層を広げていき、それらが教育現場や他のビジネスにも拡張していく新たな方法を図るべきでしょう。

医師として各サイトを利用する限り、こうしたコンテンツの一般開放に最も向いているのは、ケアネットだと思います。

エムスリーの場合は、医師専用掲示板や実名SNSなどがあり、それらは部外者が読むにはちょっと・・・という内容が含まれます。
編集長による独自の取材記事も読み応えがありますが、やはり業界内の事情通向け、といったコアな内容です。

日経メディカルオンラインもメドピアも、同様の”クローズ感"を売りにしている点では、それらの中間に位置する(と管理人が思う)ケアネットが一番活用しやすいはず。
[注:管理人はケアネット社員と交流がありますが、2013年のネット番組出演以外に、金銭的な関係はありません]

実は、テレビでも観るような著名な臨床医(ここがポイント)が、同業の医師向けに診察や治療の解説をしていくスタイルは、医療行為のあるべき伝承としても、意義が大きい。

なぜならKOLとして製薬企業がバックアップするような大学教授は、基礎系研究で業績を重ねた医師が多く、臨床行為を極めている場合は多くないからです。
基幹病院でAOLとして日々の診療を取り仕切っている医師のほうが、数をこなしている分だけ、こうした教育コンテンツに向いています。

同業者であれば、思わず頷いてしまうような匠のコツが分かりますし、一般市民は著名臨床医の鋭い思考に驚かされるでしょう。
こうした医学価値を囲い込んで、特定の視聴者に販売・配信するよりも、関心を持つ人たちへ提供の裾野を大きくしていくことが、最近のヘルスケアビジネスでは重要となっているような気がします。

とはいえ、他のビジネスモデルとの差別化や優位性の出し方は、具体的に練り上げる過程では苦労することでしょう。

一般向けと医療専門職向けで別々のケアネットを作るべきなのか、それともコンテンツ提供元として、Yahoo!などに転載してもらうのかは、悩ましい問題です。
また、基礎的な医学知識が少ない一般市民にとっては、英語混じりの難解な医学用語を聞くだけでも頓挫してしまう、という場合もありそうです。

順調にマネタイズするには、どのような業態で何を得意としている別企業と組むかも、重要になります。
ケアネットに限らず、多くのサイトが製薬企業の資金でビジネスをしてきたことで、一定の収益を見込むことができるので、大冒険に慣れていないのでしょう。

課金や販売について、どのようなノウハウが求められるかは、まったく新たに起業するようなものですから、とても難しい。
でも、現状の水平飛行を乗り越えるためには、既存の方法だけに捕らわれてはいけないようにも思います。

医療ビジネスの資金源が、潤沢な製薬企業寄りになりすぎたことにも、多くの問題が生じています。
せっかくの知的コンテンツを集積してきたのですから、それらを脱して、社会全体が活用できる発展形を目指すべきなのです。
その一例が、ケアネットではないでしょうか。

ちなみに前述の他サイトも同様ですので、今後の投稿でも随時、取り上げていく予定です。
MR教育にも多いに役立つコンテンツが多数、ありますので。


http://www.carenet.co.jp/

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