2014年9月9日火曜日

【MRポイントカード制の導入(後編)】2014年9月8日

前回投稿では、製薬協が主体となって、医師の社会貢献度を勘案した上で「MRポイントカード」を配付すると仮定しました。

プロダクト領域別にリレーションの濃淡が生まれやすい製薬企業ごとではなく、あえて”医師業界”と”製薬業界”のフル・マッチングを提唱したわけです。
すると、日々のMR活動への評価は、現行よりもさらにリアルとなって、ビジネス成果が判別しやすくなります。

現在のMR活動で問題となっているのは、長時間の待ち時間を我慢して、ターゲット医師に出会うまで、ひたすら営業コストを費やしてしまう点にあります。
基幹病院や有名大学病院ともなれば、早朝から夜遅くまで、エース級MRが護衛のごとく医師を追いかける様相になってしまいます。

決して上位MRが無策なわけでもなく、有能な医師が意地悪をしているわけでもないのに、長時間の”未面会時間”が生じてしまう。

この場合、製薬企業が費やす営業コストは、MRの人件費・営業車の維持費・資材の制作費・営業所の家賃&光熱費等であり、固定費から見れば非効率そのものです。
開業医と有力勤務医ではコール数がかなり異なるので、一概には言いにくいのですが、多額のコストを投じて育成したエース級MRのほうが、維持コストを有効に使いにくい構図です。

多くの製薬企業では、面会までの困難が少ない開業医に中位〜下位MR、難関の大学・病院に上位MRを配属しているわりに、待ち時間と効率性について決定的な解決策がない。
これが、面会そのものに"値段が付いていない"MR活動の限界です。




そこで、MRポイントカード制を使うことによって、一定の解決を試みます。

先述したように、医師には最上位のブラックカードからノーマルカードまで、5段階のランク付けを行っています。
各社MRと職務で出会うたび、医師にはそれぞれ面会ポイントが蓄積される上に、ブラックカードのほうが1回当たりのポイント獲得数を多く設定します。
診療や研究で多忙な医師ほど、MRにとって面会は難しいのですが、これは社会貢献度が高いので、1回当たりの面会ポイントは高くするという理屈です。
もちろん、地域貢献が素晴らしい開業医もいるので、同様に高い面会ポイントを付与します。
(ただし、面会しやすく=診療時間外が多い?&医療行為そのものも素晴らしい医師がいる場合は、例外的な対処が必要になります)

これをMRから見れば、日勤から準夜帯における持ち時間内で、社内評価とマッチする面会をどれほど実現するかが、分かりやすくなります。
いわば、面会の値段が付けられているのと同様であり、同じ営業コストがかかるのであれば、"収益=面会による社内ポイント"を増やすことを考えれば良い。
MRとしての社会価値を最大化する、とも言えます。
計画の進捗率に追われて、与えられたコール数目標を達成しようと、その意義や効果を後回しにして院内で待機するMRが減ることも期待できます。

社内ポイントを効率よく獲得することで、賞与や昇給に影響する仕掛けであれば、5日間の平日にできる訪問をさらに慎重に計画するはずです。
アポイントの取得しやすさ、実際の面会確率、待機時間や場所の状況、ディテーリングで得られる各種情報の質。
MRは限られた時間内に、営業コストを抑制しつつ、最大の社内ポイントを獲得できる術を練ることができるのです。

誰もが認める素晴らしい医師は、MRにとっても1回当たりの社内ポイントが高い。
日常的に出会える医師は、待機時間が短いぶん、医師が保有しているMRポイントカードのランクによって差が生まれます。
まだ若手医師で、診療経験が浅いことがランクアップできていない場合は、MRとして知識面を応援することで、次の更新時を期待できる。
不勉強でMRとの対話を好まない場合は、必要最低限の情報提供に留まるわけですが、それを割り切る根拠も社内ポイントで説明できる。
無駄な待機時間を削減しつつ、社内ポイントをひとつの目安としながらアクション・プランを練ることは、年単位で医師の成長度合いも分かる結果になります。

つまり、社内ポイントが貯まる→MRの昇進&昇給、社内ポイントを計算した効率的なMR活動→アクション全体の見直し、担当医師のカード・ランクアップ→MRとしての貢献度、というように様々な見方ができるようになる。

欠点としては、配属エリアによって面会しやすいブラックカード保有医師ばかり、あるいは面会しにくいノーマルカード保有医師ばかり、という差異が社内で生まれうることです。
中間の3段階についても、どの程度のバラツキを製薬協が設定するかで、MR活動の難易度が生まれてしまうかもしれません。

解決案としては、MRポイントカードの医師保有状況によって、特定の係数をかけることで社内ポイントを調整することが可能でしょう。
(保険診療制度みたいですが・・・)

まとめると、MR活動に値段が付いていない状況においては、医師・MRの双方にとって面会時のポイント制が有用だという提言です

とくに社会にとって必須のインフラである医師それぞれに対して、その貢献差を認めつつ、次のランクアップを促すという点も重要です。
MRは日常の面会を通じて、社内評価の向上だけでなく、医師の成長&ランクアップを支援する職業上の意義も分かりやすくなる。

社内ポイントの獲得度合いと、販売成績は正比例するというのが、管理人の見立てです。

今日も廊下で待機しっぱなし、喫茶店で時間調整、営業車で仮眠しているMRがいるのであれば、それこそ医療全体の損失です。
既存の発想にとらわれないこの解決法、いかがでしょうか?

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